脳ドックで脳卒中を事前に防ぐ

長い間、日本人の三大死因の1位はがん、2位が心臓病、そして3位に脳卒中となっていました。4位だった肺炎が、最近は3位になり入れ替わりましたが、それでも高い順位であることに変わりはありません。脳卒中というのは、脳の血管に起こる病気の総称です。医学的には脳血管障害と呼ばれており、具体的には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血があります。いずれにせよ、働き盛りの年代から急激に発症リスクが高まるため、脳ドックが有効です。
脳梗塞は前兆症状が現れやすいとされますが、無症候性脳梗塞と呼ばれるタイプもあり、高血圧や糖尿病などのある人は特に注意を要します。それ以外にも未破裂脳動脈瘤は、無症状のまま放っておくと大きくなり、突然破裂し出血する危険があります。脳腫瘍や脳出血のほか先天性の脳動静脈奇形、もやもや病などといった特定疾患(難病)などもあり、脳ドックでの発見が可能です。健康を守るには、危険因子をいかに早く発見するかが鍵を握ります。
全国には、脳ドックを実施している医療機関は600程度あるとされています。検査項目は多少の違いはあるものの、MRI(磁気共鳴断層撮影)とMRA(脳血管撮影)を中心とする画像診断です。あとはマルチスライスCTや超音波検査をはじめ脳波測定や心電図などの所見を取ります。もちろん血圧測定や血液検査のほか尿検査や眼底検査なども実施され、総合的な判断がされます。検査には予約が必須で、検査項目数やコース設定などを検討してからの予約がおすすめです。

脳ドックの基礎知識

体の健康状態を定期的に点検し、病気を早期発見するのが人間ドックです。しかし、人間ドックだけでは全ての病気を発見することができないのが現状です。特に脳に関しては、病変を見つけることが大変困難です。脳の病気として有名な脳梗塞、くも膜下出血などは発症したら短時間で命を落とす場合があるので、これらの病気の発症を未然に防ぐことが大切になってきます。そこで登場したのが脳ドックです。ここでは脳ドックの基礎知識について説明していきます。脳ドックは1980年代後半に脳の病気を予防するために始まりました。検査内容は主にMRI、マルチスライスCT、MRA、血液検査、頸部超音波などです。これらの検査は自覚症状が無い無症候性脳梗塞や脳腫瘍、未破裂動脈瘤などを発見することが目的です。こうした自覚症状が無いものの多くは発見されたからといってすぐに悪化するわけではありません。ほとんどの場合は経過観察となり、食事内容の改善や睡眠を十分とるなど生活習慣を改善していけば発症を防ぐことができます。今、自分の脳がどういう状態にあるのか?これを知ることで脳に関する致命的な病気を予防できるので、40歳以上の方、糖尿病や高血圧の方、肥満の方、家族が脳の病気を患った方は一度脳ドックを受診してみると良いでしょう。因みに、脳ドックの費用はMRIとMRAだけの簡易コースなら2万円程度、その他のオプション検査を加えた場合でも5万円程度です。

脳ドックの検査でわかる病気とは?

がんや心臓疾患に続いて脳疾患は全国死亡者数の死亡原因の上位であるといわれています。脳疾患は発病の予測が難しく、脳の組織は一度障害が起こると再生されない臓器であるため、突然発病したとえ救命ができても手足の麻痺や失語症などの後遺症が残ってしまうことがあります。症状が出ない段階で早期発見して早期治療に結びつけたり、発症の兆候を見つけて発症を未然に防ぐようにすることが大切で、そのためには脳ドックの検査で自分の今の状態を知ることが大切です。私達人間は年齢を重ねるごとに血管が弱くなっていきます。脳の病気の多くも脳の血管障害で起こるもので、主な脳の病気には能動脈が詰まって血液が流れなくなり脳組織が死滅してしまう脳梗塞があり、これには動脈硬化が強く関係しています。また脳動脈瘤の弱い部分が壊れて周囲に血液が漏れ脳組織が破壊される脳出血や、脳の表面を覆っているくも膜と脳の間に出血するくも膜下血腫などがあります。脳ドックの検査内容には身体計測、血圧測定、MRI,MRAがあります。脳ドックで受けるMRI検査でもっとも多く見られる異常所見は、症状を起こしていない無症候性脳梗塞です。その他にも古い脳出血や脳腫瘍、脳萎縮、慢性硬膜下血腫などを発見することができます。MRA検査は脳動脈瘤や能動静脈奇型の検出ができます。特に脳動脈瘤を破裂する前に見つけることで、破裂を事前に予防することができたり脳動脈が狭くなったり詰まったりする動脈硬化の変化もチェックすることができ、定期的に脳ドック検査を受けるようにすることで脳の病気を予防することができます。